「伝わる」を考える上で、とても参考になる本だったので、自分なりに心に残ったポイントを記録しておきたい。
『バナナの魅力を100文字で伝えてください』の目次
・はじめに
・「伝わる技術」を身につけると起こる(であろう)いいこと一覧
・この本の使い方
・第1章 人は、正しいかどうかではなく、「伝わったこと」で判断する
・伝わないことは存在しないことと同じ
・人は伝わったことで判断する
・「伝える量」と「伝える質」は分けて考える
・コラム 「話がうまい=伝え方がうまい」ではない
・第2章 「伝わる」は7階建て構造
・「伝わる」ってそういうことだったのか!
・伝わる構造1階 ゴール設定
・伝わる構造2階 納得感(理解する、腑に落ちる)
・伝わる構造3階 相手ベース
・伝わる構造4階 見える化
・伝わる構造5階 聞く力
・伝わる構造6階 親近感
・伝わる構造7階 信頼感
・コラム 雑談は「目的」を変えると楽しくなる
・第3章 伝える技術 伝わる技術
・伝わる技術①【比較の法則】比較しないと人は魅力がなかなかわからない
・伝える技術②【フリオチの法則】話がつまらない人は「フリ」不足かも
・伝える技術③【ファクトとメンタルの法則】吉野家の「うまい、やすい、はやい」はファクトとメンタル
・伝わる技術④【脳内チューニングの法則】わかりあいたい相手とは「脳内チューニング」を!
・伝わる技術⑤【言いかえの法則】「言いかえ」でマイナスをプラスに変える
・伝わる技術⑥【たとえの法則】「たとえる」は伝わる技術のホームラン王
・伝わる技術⑦【ネーミングの法則】「名前をつける」とスペシャルなものに
・伝わる技術⑧【間の法則】「間」をとり、考える時間を作る
・伝わる技術⑨【数字の法則】「数字」は頭の中をくっきりハッキリさせてくれる
・伝わる技術⑩【読点の法則】「、」(読点)は伝わる強度を上げる
・伝わる技術 ⑪【外部力の法則】自分の言葉に自信がないときは「外部力」を借りる
・伝わる技術⑫【相手メリットの法則】「相手メリット」でイエスを引き出す
・伝わる技術⑬【3つのグッドの法則】「3つのグッド」を入れると、興味・関心が高まる
・伝わる技術⑭【文脈の法則】「伝わる文脈」を作る
・伝わる技術⑮【結論の伝え方】結論ファーストと結論ラストの使い分け
・伝わる技術⑯【本能の言語化】みんなの中にある「本能」を言葉にする
・コラム 居酒屋の「煮込み」に学ぶ伝え方のコツ
・第4章 「伝わる」人が実践している4つの行動
・伝え上手な人はムダな努力をしない
・「伝わる人」はやさしさを武器にしている
・「怒る」と「不機嫌」は伝わらないを生む
・「言わなくてもわかっているはず」が引き起こす悲劇
・コラム 伝え方がうまいかどうかがすぐわかる質問の仕方
・第5章 「伝えるのが面倒な人」への対応策
・「すぐ否定する人」への対応策
・「話が通じない人」への対応策
・「重箱の隅をつつく人」への対応策
・「話が広がらない人」への対応策
・「話しかけにくい人」への対応策
・おわりに
『バナナの魅力を100文字で伝えてください』を読んで印象的だったこと
参考になる点が満載の本だったが、なかでも以下の3つは印象に強く残っている。
性格と仕事は切り離せ
本書の「はじめに」で筆者が自己紹介をされているのだが、エピソードが印象的。
柿内尚文(かきうち・たかふみ)氏は編集者としてこれまで数多くの書籍や雑誌、ムックの制作に携われてこられた。ベストセラーも多数あり、企画した本やムックの累計は1000万部を超えている。
現在は書籍の編集の仕事だけでなく、依頼を受けた商品やサービスのマーケティングや個人のブランディング、公園やセミナーへの登壇、書籍の執筆をされている。
「価値を発見する」、「価値を磨く」、「価値を伝える」仕事で大変活躍をされている柿内氏はかつて、「超」が10個つくくらい話すのも、伝えるのも苦手だったそう。
学生時代は授業中に手を挙げるなんて恥ずかしくてできない。人に注目されると赤面してしまう。そんな青年だったと語られている。
恥ずかしがり屋だった筆者が変わるきっかけになったの、仕事を始めて数年経った頃に師匠と慕う方から掛けれた言葉がきっかけ。
「仕事に恥ずかしさを持ち込んじゃいけない。
性格と仕事は切り離せ」
とても共感できる言葉だった。仕事に恥ずかしさを持ち込んでいる気がするから。
柿内氏も自分の性格まる出しで仕事をしていたため、悩むことやたくさんの壁にぶつかったとのこと。
本書にもあるが、確かにお笑い芸人も仕事やプライベートで印象が違うという話は聞いたことがある。スポーツ選手でもそう。
確か、少年野球をやっていたときに監督に言われた気がする。
「教室では静かでも良いけど、グランドに来たら元気出せよなぁ」と。
伝え方を考える上で、これは大事な気づきなんだそう。
伝え方が上手くなるためには「自分の性格を切り離して伝える」ということが重要。
間を取り、考える時間を作る
第3章 伝える技術 伝わる技術で紹介されていたこと。
「伝わる」は受け手側の「覚えて、考えて、理解する」という流れが必要。
仕事で早めの報告や相談、連絡が必要だと言われている理由だと思う。僕は相手の考える時間を考えて、早めにお伝えできているんだろうか。
改めて、重要さを実感した。
相手へ本心から関心を持つ>伝わる技術
これも、第3章 伝える技術 伝わる技術で紹介されていたことだ。
伝わる技術を教えてくれる本なのに、結局は本気で相手に関心を持つことに優るものはないという内容が書いてある。なんか、こういうの好きなんだよなぁ。
テクニックだけじゃなくて、心構えを知れるのって。
自分の立場に置き換えてみると、「自分に興味や関心持ってくれる人」だったり、「本気で考えてくれる人」には心を開いてしまうだろう。
興味関心を持つとか、本気で考えるって簡単なようで、実際は結構難しいことだと思う。
自分のことだけでも精一杯だったり、人のことなんて考える余裕がないときだってある。そんな人が大半だから、本気で興味関心を持てる人が貴重なんだろうけど。
僕が『バナナの魅力を100文字で伝えてください』のタイトルをつけるなら
本書は「伝わる」を考える上での、ヒントがギュッと濃縮されている。
僕が本書のタイトルを目にしたとき、「なんだか、就活で聞かれそうな質問みたいなタイトルだなぁ」という感想をいただいた。
就活では「あなたの魅力を1分以内で答えてください」のような質問が多かった気がする。本書もそういった、魅力の深掘り方だったり、いかに制限時間内に伝えていくかを教えてくれるノウハウ本だと思っていた。
実際は第一線で活躍されている編集者としての視点で「伝わる」はどういうものか、心構えの部分が結構記載されていて、大変面白かった。
僕としては第4章 「伝わる」人が実践している4つの行動に書いてある、「大人はわかってくれない!」に対しての回答をそのままタイトルにしたいと思った。
- 「そもそも人は、人のことがわからない」
- 「コニュニケーションスキルが高い人は『自分の脳と相手の脳が見ている世界が違うということをしっかりと認識している人』」
- そもそも「伝わっていない」「わかってもらうのは難しい」という前提から始める
- まずは「あきらめること」が必要
- 「あきらめる」には2つの意味がある
- 1つは「諦める」で、投げ出す、執着しないという意味
- もう1つは「明らめる」で、物事を明らかにするという意味
- 2つのあきらめるが必要
社会人になってから、どんなに一生懸命に説明しても、分かり合えない人は一定数いることを実感する。
価値観の違いからくるものだから仕方ない。だから、いったんあきらめてみる。
- 『伝え上手はあきらめ上手』
- 伝え上手は『たぶん伝わってないだろうな』から始める
こんなタイトルはどうだろうか。