「あぁ、あの頃に戻りたいな」、「大事な場面で失敗しちゃった。時を戻せるならやり直したい」と思ったことはありませんか?
時を戻せるのであれば、あなたはいつの時代に戻りたいですか?どんなことをやり直したいと思いますか?
私は中学校時代や高校時代にもっと真面目に勉強をしておけば良かったと思っています。
そんな誰もが一度は考える「あの頃に戻れたらなぁ」という妄想。実際に時を戻せる力を手に入れたらどうなるのかを再現した映画があります。
『アバウト・タイム』。主人公ティムは21歳の誕生日を迎えた日に父親から衝撃の事実を知らされることになります。
「私達一族の男はある力を持っている。タイムトラベルする力を。」
衝撃すぎる一言に主人子ティムも自分の耳を疑います。
タイムトラベルをする方法は暗闇で目をつむり、拳を握り、戻りたい時代を思い浮かべるだけ。ただ、タイムトラベルできるのは過去だけ。未来へは行けません。
疑心暗鬼になりながら、クローゼットで言われたとおり、目をつむり、拳を握る主人公ティム。思い浮かべたのは昨日のパーティー。
目を開けるとそこは昨日のパーティー会場。タイムトラベルできるという父親の教えが本当だったことを知る主人公ティム。ここから自分の能力の濫用が始まり、何かうまくいかないことがあるとすぐにタイムトラベルの力頼ろうとしてしまいます。
そんなティムですが、タイムトラベルできる力を手に入れても本当の幸せは手に入らないと映画が終わりに近づくにつれて、タイムトラベルをしなくなります。本当の幸せはやり直しの効かない毎日を大切に過ごすことでしか得られないのかもしれないと思わせてくれる映画です。
残り24時間しか生きられないと告げられたら何をする?
映画監督のリチャード・カーティスが友達と交わした何気ない会話をきっかけに誕生した『アバウト・タイム』。
「時間を巻き戻せたら違う道を選んでいた」という、生きていれば誰しもの頭を幾度かはよぎるこんな思いをベースに物語が展開されていきます。
恋人、友人、そして家族というかけがえのない人たちがより大切に思え、なにげない平凡な一日が大切な一日に変わり、当たり前のように身近にいた人たちに感謝をしてまた大好きになる。そんな映画です。
世代を超えた普遍的なメッセージは、世界中で感動の嵐を巻き起こし、映画の舞台であるイギリスでは初登場一位を記録。すでに世界58カ国で公開されています。
あらすじ
『アバウト・タイム』公式ホームページより引用しています。
主人公はイギリス南西部コーンウォールに住む青年ティム。両親と妹、そして伯父の5人家族。
どんな天気でも、海辺でピクニックを、週末は野外映画上映を楽しむ。風変りだけど仲良し家族。しかし、自分に自信のないティムは年頃になっても彼女ができずにいた。
そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父から知らされる。そんな能力に驚きつつも恋人ゲットのためにタイムトラベルを繰り返すようになるティム。
弁護士を目指してロンドンへ移り住んでからは、チャーミングな女の子メアリーと出会い、恋に落ちる。
ところが、タイムトラベルが引き起こす不運によって、二人の出会いはなかったことに!
なんとか彼女の愛を勝ち取り、その後もタイムトラベルを続けて人とは違う人生を送るティムだったが、やがて重大なことに気がついていく。
どんな家族にも起こる不幸や波風は、あらゆる能力を使っても回避することは不可能なのだと。そして、迫られる人生最大の選択——。
時を戻せる男から気づくこと
何かを得るには何かを失う
「時を戻せる」。それだけ聞くと良いことしかないように思えます。だって、失敗したと思う場面まで戻ってやり直しができるのですから。
しかし、実際はそんなにうまい話はありません。時と戻したことで失ってしまうものもあるのです。
それは自分の失敗したと思う場面が複数被ってしまったとき。映画の場面では仕事と恋愛の場面が出てきます。
これまで恋愛がうまくいっていなかった主人公ティムですが、タイムトラベルを使って、メアリーと出会うことになります。
メアリーと楽しくおしゃべりをして自宅に帰ると、シェアハウスとしていたハリーが「仕事がうまくいかなかった」とイラだっています。
ハリーは舞台の脚本家をしているのですが、その日はキャストがセリフを忘れてしまい、散々な結果になってしまったんだとか。
ティムはタイムトラベルを使って、舞台開始前まで遡り、セリフを忘れてしまうキャストの元へ向かいもう一度本番前にセリフの練習をするように伝えに行きます。
ティムの努力の甲斐あって、ハリーの舞台は大成功します。ただ、タイムトラベルの力で戻った舞台の時間は、本来であればメアリーと出会っていたであろう時間。
時を戻してハリーの舞台を成功させることはできましたが、なんとメアリーとの出会いはなかったことになってしまっていたのです。
最終的にはタイムトラベルでメアリーと出会うことになるのですが、何度も何度もタイムトラベルを使って大変でした。
友人の仕事を助けようとしたら、自分の恋愛で何かを失いますし、その逆もあります。何かを得るには何かを犠牲にする必要があるのかもしれません。
失敗をなくすことが幸せな人生につながるとは限らない
タイムトラベルできる能力があることを知ってから、失敗をしては失敗する前に時を戻していたティム。
映画のなかで何度もタイムトラベルに頼る場面が出てくるのですが、終盤からタイムトラベルに頼らなくなります。
理由は失敗をなくすことが良い人生を送るコツではないことを悟るからです。
正確にはどんな家族にも起こる不幸や波風は、あらゆる能力を使っても回避することは不可能なのだということを理解するからです。
ある不幸を回避しようとしてタイムトラベルしても、また別の不幸が発生してしまう。
人生において大事なことは失敗や不幸を回避することではなく、どう向き合うか。映画を見ているとそんなことに気付かされます。
タイムトラベルをした男が悟った幸せに人生にするための教訓
タイムトラベルできる男、ティムが何度も時を戻して悟った人生を幸せに生きる考え方。
過去から戻ってきたと思って生きる。周囲の人も一緒にトラベルしている。
映画を見ていないと「???」と意味不明だと思います。自分は結局今の人生が良くて、時を戻してきたと考えるということです。
自分にはタイムトラベルできる力があって、別の人生も経験している。例えば、今平凡な人でもお金持ちの人生も経験している。だけど、お金持ちの人生もお金持ちに人なりの苦労がある。
平凡だった時代とお金持ちだった時代を比較した結果、「やっぱり平凡だった時代の方が良いや」ということになり、タイムトラベルしてきた。そして今の人生を生きている。
実際には「いや、俺タイムトラベルできんし」と思うかもしれませんが、それは記憶から消されているだけと考えておきましょう。
なかなか言葉だけで説明をするのが、難しいのですが、映画を見るとよくわかると思います。
【まとめ】人生やり直しができないからこそ得られるものがある。
人生をやり直したい、〇〇の頃まで戻れたらなぁ。そんな思いを持つ人にぜひ見てほしい作品です。
『アバウト・タイム』の映画シーンの画像だけを見ると「イケメンと美女が結婚するキラキラした話でしょ?」と思われる方もいるかもしれません。
違います。
実はがんで余命数週間だった父親が息子に伝えたかった人生を幸せに生きるためのヒントがふんだんに入った作品なのです。
残り24時間しか生きられないと告げられたら何をする?というリチャード・カーティス監督が仲間とした何気ない会話がきっかけで誕生した『アバウト・タイム』。
きっと「時間を戻して〇〇したい」と考えたんだんだろうと思います。誰でも一度は考えると思います。
でもリチャード・カーティス監督や仲間が「そうなると失うものもあるんじゃない?」と気付いたのかもしれません。そのあたりの発想は深く考えた人でなければ思いつきませんね。メリットばかり考えてしまいますし。
タイムトラベルできないからこそ得られるものがある。失敗があるからこその人生だ。そんなメッセージが作品全体から伝わってきます。
人生をやり直したい、〇〇の頃まで戻れたらなぁ。そんな思いを持つ人にぜひ見ていただきたいです。
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