『幸福優位の7つの法則』を読んで、興味深かったことを書き残しておく。
成功が幸せの周りを回っている
1543年にニコラス・コペルニクスが『天体の回転について』という書物を著すまで、誰もが地球が宇宙の中心で太陽が地球の周りを回っていると信じていた。
同じように長きにわたって「成功の周りを幸せが回っている」と信じられていた。最近になってあらゆる研究の結果、「幸せの周りを成功が回っている」という事実が明らかになってきている。
懸命に働けば成功する、成功してはじめて幸せが訪れるを教えられてきたが、反対だった。
うまくいっている人は、幸せは仕事を達成した暁にもらえる褒美などとは考えないし、無味乾燥な気分やネガティブな気分のままで、歯を食いしばって日々を生き抜こうとは思わないんだそう。
心理学者は「幸せ」をどう定義しているのか
本書では幸せの定義についても書かれていた。
幸せとは何かという答えが一つではない質問にGoogleは答えを出せない。幸せは相対的なもの感情のため、人によって感じ方が異なる。
その人がどのくらい幸せかを判断できるのは本人しかいない。
今気分が良くて、将来に対してポジティブなイメージが持てるか
心理学者は幸せを「意味や目的の深い感覚を伴う喜び」のポジティブ感情を覚える状態と定義している。つまり、定義上の幸せは以下の2つに分けられる。
・現在のポジティブな気分
・将来に関するポジティブな展望
今気分が良くて、将来の自分が今よりも良くなっているイメージが持てている状態が幸せということだ。
「喜び」「夢中になること」「意味を見出すこと」がそろって満たされた状態
ポジティブ心理学者の創始者であるマーティン・セリグマンは幸せを計測するのに「喜び」、「夢中になること」、「意味を見出すこと」の3つに分けて考えた。
この研究によって、喜びだけを追求しても幸福のもたらす恩恵の一部しか得られないこと、3つの要素全てを求める人が本当に満たされた生活を送ることができるということが実証されたのだ。
最後に
本書によると幸せという言葉は「ユーダイモニア」と表現されることもあるようだ。
アリストテレスが使った言葉で、「人の繁栄」と訳される。筆者のショーン・エイカー氏はこの定義が一番ぴったりくると思うと述べている。
幸せは主にポジティブな感情によってもたらされる。つまり、条件でも状況でもなく、「心で感じるもの」で、自分から積極的に探しにいくもの。待っていて誰かから与えられるものではないのだろう。