「俺なんのために働いてるんだろう」
「福祉業界って全然稼げないじゃん」
仕事に疲れすぎて、最近こんなことばっかり考える。
社会人になって、自分の時間ほとんどを職場で過ごす日々。
朝起きて、顔を洗って、朝食を食べ通勤。僕の職場では大体平均1~2時間ほど残業があり、帰宅。
夕食をとり、お風呂、少し自分の時間があり、就寝、再び仕事へ。
気がついたら1年目が終わっていた。
1週間自分がどんなことに時間を使っているのかを計算してみた。
1週間の時間の使い方
1週間は168時間。そのうち、
・睡眠時間を1日6時間×7日=42時間 (25%)
・仕事残業を1時間として9時間勤務×5日=45時間 (26%)
・食事を1回15分として×3回✖️7日=5時間 (3%)
・入浴1日30分×7日=3.5時間 (2%)
・身支度1日30分×7日=3.5時間 (2%)
大体こんな感じ。それ以外は自由に使える時間ということになる。寝ることと仕事に半分近くの時間を費やしている。
人間以外の動物はどうやって時間を使っている?
では犬の場合はどうか。もちろん犬の場合も1週間は24時間ある。
・睡眠時間(犬小屋で過ごす時間とする)1日約10時間×7日=70時間 (41%)
・食事1回10分×3回×7日=3.5時間 (2%)
・散歩1日30分×7日=3.5時間 (2%)
思いつく範囲だとこんな感じ。
睡眠時間や食事がほとんどの時間。それ以外はほとんど小屋の前。
犬以外にも猫やハムスター、キリン、象など思いつく動物はたくさんいるが、ほとんどの動物が同じような時間の使い方をしているのではないだろうか。
食事をとり、排泄をし、就寝。敵がきたら、負けないように争う。
こんなことをしているとふと気がつくことがある。
仕事をしている時間がない。
仕事をするのは人間だけなのかも
野生であれば、自分のすみかを作ったり、獲物を取ったりする時間などはあるが、それ以外に仕事の時間がない。
そうか。動物には仕事をする時間がないのか。
当たり前のことだが、しみじみと思う。少し羨ましくも感じるが、よくよく考えると暇すぎてむしろ辛いかもしてない。
そもそも今までずっとそのような時間の使い方しかしてこなければ、暇という概念すらない。それが普通の過ごし方なのだから。
人間だけ生活様式が変わりすぎじゃない?
人類が誕生したのは、約500~700万年前みたいだが、誕生した当時と比較をすると人間の生活は大きく変化をしてきているはずだ。
家という建物に住み、スマートフォンという板を持ち、移動手段は動物から自動車や電車、飛行機に変わってきた。まさに激変。
動物はどうだろう。身近な犬、猫が当時もいたかどうかは定かではないが、存在したとすれば、おそらく生活様式はそこまで変わってはないだろう。
睡眠、食事、すみかって、狩りをする。
誕生から数万年たった現代でも車に乗っている犬は見たことがないし、犬が野菜を育てているのも見たことがない。
なぜだろう。なぜ人間だけが、こんなにも生活を変えてきたのだろうか。
動物を比べると力が弱く、瞬発力もなく、嗅覚もなく、視力も弱い人間が。
人間の生活だけが複雑になった要因
人の役に立ちたい。
こんな思いがいつのまにか人間の生活様式をここまで複雑化させたのではないだろうか。
大学のときに文化人類学を専門にしている教授が人間と動物の決定的な違いについてこんな話をしていた。ゴリラの話。
檻のなかに2匹のゴリラ。1匹にはリンゴを与え、もう一方には与えない。
リンゴを与えられたゴリラがリンゴを食べ始めるともう一方のゴリラがものほしそうに近づいてくる。そのときリンゴを与えられたゴリラはどうしたか。
あげない。与える素振りも見せなかった。顔の距離10センチまで近づいてきたところでようやくリンゴを仕方なく与えた。
このゴリラだけが特殊というわけではなく、どのゴリラでも同じような結果だったという。
これが人間だったらどうか。同じシチュエーションだったら、視線を感じた段階で分け与えるだろう。この例から得られる教訓は、
人間は積極的に他を助けようとする動物だということ。
確かに現代の人間の生活に置き換えても納得がいく。今使っているスマホも誰かが作ってくれたものだし、食べ物も服も。
誰かが助けてくれた、助けようとしてくれたからこそここまで生活が激変した。
今は経済価値がないものにはあまり価値がないとする風潮が強い。
しかし経済価値がなくとも人の役に立ちたいという気持ちがあるなら、人間としての価値はあるということなのか。そんなことを当時の私は思った。
仕事はお金を稼ぐためだけじゃない。人間の生きがい
健全な肉体、思考を維持するために現代社会では経済力が必要なのだ。だから仕事をする。
だけど仕事を自分の肉体を維持するためだけの手段にはしたくない。
動物のなかで人間だけが持つ他を助けたいという思考を持つ人間でいたい。仕事はその手段に過ぎない。