MSWに限らず、就職活動をするときに志望動機は必ず聞かれますよね。でもなかなか書けませんよね。僕も3年ほど前に就職活動をしたんですが、あんまり思いつかなくて、書いては消してを3週間くらい繰り返してような記憶があります。
今は急性期病院で現役のMSWとして勤務しています。当時の記憶を思い出しながら、志望動機が書けない理由や対処法を考えてみました。
現役MSWが1日の仕事内容をまとめてみた。
MSWの志望動機が書けない理由
立派なことを書こうとしている
誰でも志望動機ってあるんですよ。体裁を整えたり、しっかりとした文章にしないといけないプレッシャーから見えなくなっているだけで。だってその病院にエントリーしている、または何となくでもエントリーしようとしているんですから。
「安定していそうと思ったから」
「給料が良さそうだから」
「社会的地位がありそうだから」
「親を安心させたいから」
「家に近いから」
これらだって立派な志望動機。今、現役で働いているMSWだって志望動機はほとんどこんな感じですよ。給与だって、立地だって生活していく上での重要項目ですもん。
ただ、そのまま書いたら印象が悪いとわかっているから、別の言葉に言い換えたり、少し掘り下げて表現を変えたりしているんです。いきなり立派なことを書こうとしたってなかなか筆は進みません。
行きたくないところならエントリーすらしないはず。
本当に行きたくない病院や業界ならエントリーすらしないですよね。どんなに家から近くても、給料が良くても、待遇が良くても。
多少なりとも自分とって魅力があるからエントリーするんです。それならまずはその自分にとっての魅力は何なのかを洗い出してみましょう。自分だけしかみないんですから、どんなに幼稚に思える理由でも構いません。
やりたい仕事ではない
やりたい仕事ではない。だけど、やりたくない仕事でもないし、待遇はそれなりに魅力。こんな場合はなかなか面接で話せるような動機が見つかりにくいと思います。
やりたいわけじゃないけど、とにかくその病院に憧れがあって就職したいという場合もありますよね。仕事の内容で志望動機を書くとすれば、やりたいことやそれを遂行した先に何かメリットがなければ思いつきません。誰でもそうだと思いますよ。
したいこと、やりたいことにこだわりすぎない
したい仕事とか、やりたいことってそんな簡単に見つかるわけじゃないと思いますよ。
「好きなことで、生きていく」とか、「好きなことを仕事に!」という風潮が強い世の中なので、「これが本当に自分のやりたいのか」と悩む気持ちも大変共感できます。
体験してみなければ好きか嫌いかも判断できないこともあると思うので「これが自分のやりたい仕事なのか?」については仕事をしてから考えて良いのかなと。
しかも当たり前ですが、就職活動って自分のタイミングじゃないです。日本だと一般的に高校卒業後だったり、大学を卒業したら就職活動をするじゃないですか。ということは就職活動はその前からスタートです。
これって、「君はもうすぐ卒業だからあと1年でやりたいことを見つけてね?」って言われているようなもの。焦りません?やりたいことは期限を決めて見つけるものでもないと私は思います。
前々から考えている人なら別ですが、あと1年とか半年でやりたい仕事をしたこともないのに探さないといけないんですよ。
そんななかほとんどの人が就職していますね。本当にやりたい仕事だったんでしょうか。僕はあんまりそうは思えません。もちろんなかには本当にやりたい仕事だったから就職したという人もいるとは思いますが、僕の印象では少数です。
みなさんそれぞれの事情があるから、それなりに待遇面で魅力があって特別やりたくない仕事でなければ就職するんです。実際そんなもんですよ。経験する前からやりたいことにこだわりすぎる必要はありません。
【働き方は生き方なのか?】就職してから思うこと。まずはどう生きたいかを選択することから始めよう!
MSWの志望動機を書くために行ったこと
話は盛らない
たまに就職活動では話を盛っても良いという意見も聞いたりしますが、辞めた方が良いですよ。自分にとっても病院にとってもメリットないですから。
嘘をついてその場は凌げて採用されても、多分採用担当の方にバレてます。採用担当の方も数十年前は就活生であって同じ境遇だったんです。話を盛っているを許容した上で採用してくれているのです。
病院にとってのメリットを考えてみる
「給料が良い」、「家から近い」、「社会的地位があってカッコ良い」という理由なら、既にご存知の通り印象が悪いでしょう。病院側にとって何のメリットもないからです。
自分のメリットしか考えていない場合は就職活動でなくても嫌われますね。Taker(相手から搾取ばかりする人)とGiver(相手に積極的に与えようとする人)がいるそうですが、これは完全に前者です。
自分のメリット+病院側にとってのメリットを考えられるといいんじゃないでしょうか。たとえばですが、
- 仕事内容
- 給料
- 待遇
- 通勤距離
- 社会的地位
これは自分にしかメリットがないので、そのまま履歴書には書けません。
- 収益が上がること
- 病院の評判が良くなること
- 質が良くなること
- 人材不足が解消されること
- 新たな人材が入ることで職場に変化が起きること
こんな感じでしょうか。これを見て私にはメリットがないと思われた方もいるかと思いますが、大丈夫です。
大体の企業では新卒にこんなに求めていません。結局はこの人材となら働いても良いかなと思ってもらえれば採用になります。そう思ってもらえることが就職活動における病院とってのメリットです。
誰の役に立ちたいかを考えてみる
仕事でお金をもらう以上、誰かの役に立っている必要があります。やりたいことをするにしても誰かの役に立っていなければ、お金はもらえません。
「好きなことをして生きていく」は大事なことが抜けています。誰に対して役に立ちたいかという視点です。理想は「好きなことで誰かの役に立つ」ではないでしょうか。
「好きなことをして生きていく」の方が何となく言葉に華があるので、ビジネス的には良いかもしれませんね。
志望動機はまさにこれです。好きなこと(やりたい仕事)にあたります。でも好きなことがない人はどうしたら良いのでしょう。
「好きな人の役に立つ」
ひとまずはこれで良いんじゃないでしょうか。両親でも、祖父母でも、友達でも、いつかの自分と同じ境遇にいる人、病気の人などなど。とりあえず志望動機が見つからない場合は誰の役に立ちたいかを切り口にしてみると良いと思いますよ。
【体験談】MSW1年目はこんな感じで過ごした。
最後に
志望動機が書けなくて焦っているときは苦しいですよね。でも今回私の記事にたどり着いてくださったように、一生懸命調べている方ならきっと大丈夫だと思います。
自分にとって縁のある場所にたどり着きますから。何時間もかけてエントリーシートを書いたけど落選することもあれば、さらっと書いたエントリーシートでも採用されることもあります。
まずはどんな結果になっても後悔しないようにやれることからやってみましょう。
未経験からMSWになる場合はどう病院を選ぶ?