医療ソーシャルワーカーに興味がある。でも実際にどんな仕事内容なのかわかりにくいですよね。
日常生活で医療ソーシャルワーカーを関わる機会はほとんどありませんし、僕もMSWになるまでよくわかっていませんでした。
- 4年生大学を卒業
- 社会福祉士免許を取得
- MSWとして急性期病院に勤務
現役MSWが仕事内容をわかりやすくまとめています。
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MSWの仕事内容
主には退院先を一緒に決めること
MSWの仕事内容の8割〜9割が退院調整といっても過言ではありません。
患者さんやご家族と一緒に退院先を相談するのです。
「えっ。病気が治ったら家に帰れば良いじゃん」と思うかもしれません。
病院には治療が終わっても何らかの理由で家に帰れない人が予想以上に多いのです。
すんなり家に帰れる人はMSWと関わることなく家に帰ります。MSWが関わるのはほとんど70歳以上の患者さん。
病院に入院してくるのは圧倒的に70歳以上の高齢の患者さんが多く、何らかの理由で家に帰れない人が多いのも70歳以上の患者さん。
具体的に治療が落ち着いても家に帰れない場合は以下のようなときです。
- 入院中に体力が落ちて家で生活できない
- 治療は終わったけどご飯が食べられなくて点滴をしている
- 元々自宅での生活が大変だった
例えるならMSWの仕事内容は進路指導の先生です。
上手く例えている人がいたので引用します。。
MSWの仕事は学校で例えるなら「進路指導の先生」。
進路に迷っているときにどこで過ごしたいのかを整理しながら一緒に行き先を考える。
どうしても自宅に帰りたいのか、それとも病院にするのか。病院にするとしたらどんな病院が良いのか、いくらかかるのか。
自宅に帰りたいならどんなサービスが必要なのかを一緒に考えます。
本当こんな感じです。
経済的な問題
あとはお金の問題についてです。
- 医療費が払えるか心配
- 医療費が安くなる制度を知りたい
- 休業中のお金が心配
退院調整の次に多い仕事内容です。
患者さんに合った制度を紹介したり、もし既に使える制度を全て使っているのであればそれをお伝えします。
その場合は病院の支払いを分割にすることもできますので。
患者さん自身でもいろいろと調べて事前に制度の手続きをしてくれるんですけど、「まだ私の知らない制度があるのでは?」って心配されている患者さんも多い。
そういった患者さんには「もう使える制度は全部手続きしてくださってますよ」と伝えると安心される方もいます。
制度のこと
- 介護保険の申請の仕方を知りたい
- 家で使えるサービスを知りたい
ほかにも生活保護のことや障害者手帳、障害者年金のこと、傷病手当金のことなど。
医療ソーシャルワーカーが申請を代行するわけではありませんが、手続きに必要なことを一緒に整理したりします。
MSWの仕事内容は担当科ごとでも異なる
病院の規模によってMSWの人数も違えば担当科も違うと思います。
ある病院のMSWは1人で多くの科を担当かもしれませんし、ある病院ではMSWごとで担当科が分かれているかもしれません。
私が勤務する病院ではMSWごとに担当科が分かれています。
実はどの科を担当するかでも仕事内容は変わってくるんです。
内科や外科だと退院調整がほとんどなんですが、小児科や産科だと仕事内容の8割が家族問題調整になります。
最後に
MSWの仕事内容を大まかにですがまとめてみました。
ほとんどが「退院先を決めること」、「お金のこと」の相談です。
担当科によっては「家族間の問題」に関わることもあります。