人生終わり方が難しい?延命に治療をするか悩む家族の話

誰しもが長生きすることを望みますよね?あなたは何歳まで生きたいですか?生きているならどんな状態で生きていたいですか?

 

医療ソーシャルワーカーの仕事をしているとこのような疑問に直面しているご家族に出会うことがあります。

 

今日もお母さんの延命治療に悩むご家族とお会いしてきました。

 

お母さんは90代で娘様は定年後の60代。骨折を機にほとんど寝たきりの状態になってしまったため、一緒に転院先を検討しました。

 

今の日本の制度では救急病院には長期間に渡って入院することができないため、ある程度救急病院としての治療が落ち着いた段階で次の転院先を考えなければいけません。

 

そして多くの病院では転院先をご家族と検討する役割を医療ソーシャルワーカーが担っていることが多いのです。

 

喜ばれるリハビリ転院、嫌がられる療養転院

転院先を探すと言っても、大きく3種類に分けられます。

 

転院の種類
  • 治療目的の転院・・・大学病院や総合病院など専門の医師がいる病院への転院
  • リハビリ目的の転院・・・リハビリテーション病院への転院
  • 療養目的の転院・・・地域の療養ができる病院への転院

 

治療目的の転院に関しては医師間でスピーディーに行われますので、あまり医療ソーシャルワーカーが関わることはありません。

 

医療ソーシャルワーカーが関わるのは主にリハビリ転院と療養転院のときです。この2つの場合はすでに救急治療が終了していますので、治療目的ほどのスピーディーさは求められず、大体2週間前後で転院先を決めることを目標に患者さんと相談をしてきます。

 

リハビリ転院は割と患者さんご家族に喜ばれるケースが多いです。理由は回復に向かうための転院だからです。

 

面談をする私たちとしても「〇月に帰れるようにリハビリできる病院を探しましょう」とポジティブな転院となるので調整もしやすいのです。

 

しかし、療養転院の場合は違います。これ以上回復できる見込みがなく、かつ、今の状態では自宅退院できない状態の場合の転院なので割とネガティブな面が目立つ転院となります。

 

具体的には点滴や酸素、吸引をされていて、ほぼ寝たきりの高齢の方のイメージです。

 

そしてなぜ療養転院が喜ばれないのか。それは転院するにあたっての条件が多いのです。最低でも以下のことにご家族が了承いただかないと転院はできません。

 

①専門的な治療ができないこと
②リハビリがほとんど提供されないこと
③延命処置ができないこと(急変時に救急病院へ搬送することも不可)

 

療養病院へ転院をすると基本的には行った先で看取りになるか、数ヶ月後に施設に入所になるかがほとんどなのです。

 

ご家族によっては初めて両親の延命について考える方も多いため、どこまで処置を希望するか大変迷われます。

 

延命処置を希望しないことは親不孝ではない

入院後、せん妄や認知機能が低下して両親と意思疎通が取れなくなってしまったご家族がいらっしゃいます。

 

そんなとき延命処置の判断はご家族に委ねられます。今日私が対応したご家族もその一人。

 

多くの方が苦しまず自然な形で生を全うしてほしいと願いながらも延命治療を続けるか迷われます。

 

可能性があるならなるべく長く生きてほしい、姿を見ていたい。

 

療養転院にはいろんなご家族の迷いや葛藤が付きまとい、ときには「私は親不孝だから延命治療は希望しません」と言われる方もいます。

 

私は延命治療を希望しないことは親不孝でもなんでもないと思います。本来人間の寿命はある程度決まっていることですし、延命治療をしてただ臓器が動いている状態だけが良いとも思えません。

 

頭では理解していてもいざ、決断する立場になると誰しも葛藤するものなのでしょう。今の時期はコロナの影響で面会もできないので転院してしまったら、次に会えるのは亡くなってからかもしれません。

 

決断するのはご家族自身ですが、「これで良かったんだ」となるべく後悔のない選択ができるよう医療ソーシャルワーカーは適切な情報提供に努めています。

 

葛藤するご家族に少しでも頼ってもらえる人になれたら良いなと思う今日この頃です。

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